『プレゼンの極意』
最近、出版業界からIT企業のロックミーに転職したメンバーがお得意先にプレゼンする場に立ち会いました。
やはり業界が違えば色々と勝手が違うせいか、本人は一生懸命準備したもののプレゼン本番で声が震え、緊張して頭が真っ白になってしまったようです。
周りがフォローしてなんとかその場はこなしていました。
それをみて、自分のプレゼンデビューを思い出したんです。もう10年以上前のことです。
それは新卒のころ、自社で運営していた有名作家のサイトに、機能追加をする提案でした。
著名な作家さんの前でプレゼンデビューすることになり、自分はひどく緊張を覚えました。
しかし、当時の自分は
「緊張を見せる=はずかしいこと」
という図式が脳内にあったのか、鬼のように事前練習をしていました。
プレゼンの本を買って、毎日鏡をみて話す練習をしました。
そのおかげか、プレゼンは初めてにしては卒なくこなせてしまいました。
その直後、別部署から最近異動になった先輩Aさんが同じくプレゼンデビューでした。
彼はまったく別の機能のプレゼンをしました。
それを傍らで見守っていると、体はガチガチで手も声も震え、資料は棒読み状態でした。
ちょうど先ほどのメンバーのように。
正直、作家さんに話の内容が伝わったとは思えない内容でした。
私は心のなかで
「これは作家先生の許可が降りないんじゃないだろうか……」
と思いました。
プレゼンが終わって、作家先生がこういいました。
「Aさん、ありがとう。私のことでそんなに緊張するほど真剣になってくださって。この案は進めてください。」と。
それを見て、私のなかで何かが崩壊しました。
「カッコ良くしゃべる=良いプレゼン」
だと思っていたのです。そんな自分が恥ずかしくなりました。
自分はプレゼンで大切な何かを伝えられてないんだな…と。
スマートなプレゼンは人を魅了しますし、聞き手の理解を深めるコトができますが、プレゼンする内容に対する話し手の気持ち、誠意、姿勢、そういったものはなかなか相手に伝えるコトが難しいものですね。
プレゼンに限らず、何か大切な場面では、緊張していないフリをするより、緊張を隠さないほうがずっと良いと思うようになりました。
あとは、緊張をどうコントロールするかだけの違いですよね。
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