ビックリ「!」したこと。
こんにちは。Rock Me!の小林です。
私は基本、自分が着る服にとても無頓着。
最低限のTPOがあれば、何でもいいやと思っている人。
そんな自分には珍しくデパートで服を買っていた時、一流ホテルマンのようなGさんという店員に出会った。
その体験があまりにも素晴らしかったので、みなさんに共有したい。
私の服を見立ててくれたGさんとカウンターで会計待ちをしていた。
すると、隣にすごい不機嫌そうな顔をした客が眉間にしわを寄せてやってきた。
話を聞けば、その客は以前ズボン丈の直しを依頼していてそれを取りに来たらしい。
ただ、約束の仕上がり時間からは5時間早い。
なのに
「夕方から府中でやるパーティに間に合わない、早くしてくれ」
とワガママを言い出した。
対応していた女性店員さんが
「地下の倉庫にまで届いているのはわかっているのですが、今日は連休で照会も混んでいるので私が取りに行って戻ってくるのに20分はかかります」
というと更にイライラピークな顔に。
お店からすれば、約束の時間も守らない困った客でしかない。
それを横で聞いていたGさん。
すかさず、
「私の足ならもう少し早くとってこれるかもしれないので、お待ちいただけますか?」
と会計を女性に預けて、消えた。
※もちろん会計を待っていた私のOKをとったうえで。
そして彼はなんと、4分で戻ってきた。
連休でごった返すデパートのフロアを早足でかいくぐって。
それをみた不機嫌客の顔から眉間のシワは消え、目を丸くして驚いていた。
さらにビックリなことに、Gさんはこう言った
「府中なら、20分後の電車に乗ればまだ間に合うようです。良かったです!」
と。
まるでマンガ「君に届け」の風早くんのような爽やかさ。
走って服を取りに行く4分の間に、夕方に間に合う電車の時間をケータイで調べてあったのだ。
その瞬間、ワガママ客の顔が、にっこり天使客になっていた。
Gさんはこの数分の間に、このワガママ客と隣で見ていたオッサン(私)を虜にしてしまった。
よく、「クレームは宝だ」とかいうけれど、まさにこういうことだと思った。
Gさんは、ピンチをチャンスに変えてしまった。
クレームを言うほど感情を表に出す人は、実際ファンにもなりやすい。
この後、私はGさんと仲良くなって話を聞いた。
普通なら20分かかるのに、4分で戻ってこれた秘密を聞いてみた。
彼は日頃から地下の倉庫係の連中とも仲良くして、困ったときは便宜を図ってもらえるような関係を作っているらしい。
お客のワガママをある程度聞いてあげることもファンをつくる秘訣だということを、社会人2年目にしてよく知っている。
みていて彼は、組織で褒められたくてやってるわけじゃなくて、お客さんのハートを盗むことに夢中なのがわかった。
それを会社に評価して欲しくてやっているのではなく、彼自身のためにやっているのが見て取れる。
彼の頑張りは彼の経験となり、接客スキルやお客さんとの信頼関係として、給料に現れない彼の財産になっている。
この心地よい接客スキルがあれば、今働いている会社のブランドじゃなくても、彼はやっていける。
彼がどこの会社にいようと、彼の接客の心地よさに価値を見出す人がいるだろう。(自分含め)
仕事がすごくできる彼をみていて、秀吉が信長に気に入られるため、冬場は草履を懐で温めていたというエピソードが頭をよぎった。
自分が「すげえ!」と思う人たちの共通点をふりかえると、組織に属して働いていても会社から与えられた課題以上のものを常に勝手に自分に課して、それをゲーム感覚で楽しんでるってことかな。
そしてそれがいつの間にか、その人の財産になってる。
たぶん、自分の目指しているものが明確で、組織に任せていたらそこに到達するのが間に合わないってのを直感してる人たちなんだと思う。
イチローが小さいころ動体視力を鍛えるために、通り過ぎる車のナンバーの数字を全部足し算したり掛け算したりしてたのに近いかも(笑)
日常は本人次第でいくらでも修行の場にできるってことですね。
逆に成長しない人は、会社からの指示がなければ動かず、考えずの人。
会社が払ってくれている給料の価値を、自分が会社のために使ってる時間で計る人。
私が社会人デビューしたときは、組織の空気を読みまくって、その枠のなかで褒められるためにパフォーマンスしていくタイプでした。
ようは、指示されたことを完璧にこなすことがゴールだと思ってました。
そんな私を見た上司が
「小林君の成長の限界を決めているのは小林君」
と言ってくれなかったら、そういうことにもまったく気が付けなかったなと思います。
本当に。
Rock Me!という会社のロゴにある「!」の意味は、お客さんの期待を良い意味で裏切って、びっくりさせること。
ネット上でたくさんの「!」を生み出していくために作った会社です。
そのためには課題もまだまだたくさんあります。
Gさんからも学んで、みんなで前に進んでいくしかないね。
※こちらは2014/11/5の旧ブログ記事の再掲載です。
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