『あどけない空の話』
こんにちは。Rock Me!の小林です。
今日、オフィスから出たら、少し雨が降ってました。
「ああ、まだ傘はいらないレベルだなー」
と思って、そのまま歩きはじめました。
私は昔から、ちょっとした雨では傘もさしません。
傘を持つことで手を塞がれるのが苦手です。
最近Facebookで、「雨が降って憂鬱だー」と言っていた方がいて驚きました。
雨が全く降らなかった時のことを考える方が憂鬱です。
「これくらいの雨で傘を差す人って何考えてるのだろう」
などと考えながら歩いていたら、
先ほどまで小雨だったのが急にザーザー降りになりました。
「うわ寒っ。こりゃ傘ないとヤバイ!」と。(笑)
ずぶ濡れになってから、「だからみんな天気予報みるわけだ」と。
寒さに辛抱できなくなり、傘を買うために信号の向こう側にみえたマツモトキヨシにダッシュしました。
ところが。
不思議なことに、信号を渡ったらそこには雨がまったく降ってませんでした。
雨雲の外に出たのでしょう。
ようやく、ふと天を仰ぎました。
冷静に考えたら、雨雲が頭上にいるかいないかだけなのに、
空を見上げる余裕もなく生きていたんだなぁ…
詩人、高村光太郎の「智恵子抄」で
「東京には空がない」
というくだりがありました。
この意味はいままでずっと、東京はビルが立ち並んで空が見えにくいことだと思っていました。
実際田舎にいるよりも、ビルが立ち並ぶせいで空が狭いのなんの。
でも智恵子さんがほんとに言いたかったことって、ほんとは
「東京人は空をみる余裕がない」
ってことだったのかもなぁ・・・
って思ったのでした
===智恵子抄「あどけない話」 高村光太郎より引用===
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながらいふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に毎日出てゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
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※この内容は2009年5月8日に書いた記事を再掲載したものです。
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